嘘をつかれていたHさんの話

 

大学に入って早々、自分の恋愛する能力のなさを感じました。Aくんに失恋をしたのはまだ1回生の8月です。このときAくんのことを一番相談していたのはひとつ前の以下の記事にも出てきた、高校生のときに通っていた予備校でバイトをしていたイマドキの大学生の権化のようなHさん。 

 

jakushaa.hatenablog.com

 

Hさんに飲みに連れて行ってもらい(まだ19歳の私はソフトドリンク)、愚痴を聞いてもらいました。Hさんの見解では、大学に入学したばかりだったのでAくんにとって私はたくさん知り合った彼女候補の一人に過ぎなかったようです。なるほど。その選考に漏れたということなのですね。Hさんと私の家は4駅ほどの距離なので、ちょうど間くらいのお互い自転車で行ける距離の居酒屋でごはんを食べました。帰りは家まで送ってくれました。

 

実は大学受験あたりからAくんと知り合うまでの間、Hさんのことが気になっていました。受験前は、バイトの先生の中で一番頼りにしていて生徒の中でも私が一番勉強を教えてもらっていました。合格したときは予備校に電話番号を聞いて、直接報告をしました。Hさんには前の前の記事のTくんの相談も少ししていたし、入学当初、大学に馴染めなくて悩んでいるときもずっとLINEで相談をしていました。ふつうな自分とは正反対の大学生だけど、だからこそ頼りがいがあると思いました。でも21歳にして今まで10人以上と付き合ったことがあるほどのチャラ男、芋くさい私は恋愛対象として見られるわけがありませんでした。だからこそHさんのことを忘れるくらいたくさんの出会いがあることを期待して大学に入学しました。しかし見事な失恋をキメ、気持ちはHさんのもとに戻りました。

自分の容姿に自信がなく卑屈な私に対して、チャラ男のHさんは「かわいいやん」と下心全くなく言います。口説こうとしているわけではないと分かっていますが、男性からかわいいと言ってもらえたことがなかったのでドキドキしてしまいました。

ただの予備校バイトと生徒の関係なのに毎日LINEで連絡を取りました。何度もご飯に連れて行ってもくれました。会うと緊張して慣れてくるまでうまく話せないけど、LINEでは素直に話せました。「次いつご飯連れて行ってくれるんですか?」「早く会いたいです」そんなこともLINEでは言えました。

繰り返しますが、21歳にして今まで10人以上と付き合ったことがあるほどのチャラ男です。どう考えても彼女いるでしょう??何度も確認しました。「彼女いますか?」「浮いた話ないんですか?」答えはいつもNOです。高3の春休みから二回生の夏ごろまでの約1年半の間、何度も確認しましたが、答えはいつもNOでした。女の影が現れたら諦めようと思っていましたが、何度聞いてもこの答えだったのでずっと好きでいることができました。一回生の間、私はよく予備校に遊びに行き、後輩としゃべったり、Hさんや女性職員のS先生としゃべったりしていました。S先生は前の前の記事のTくんの相談などもしていたので仲が良いです。Hさんに、私とS先生は男運が悪そうと言われていじられたりして、3人でしゃべることも多かったです。一回生のクリスマス、バイトも遊びの予定もなかったのでなぜか私は予備校に行きました。今思えばいくら暇でもクリスマスに行くとこちゃう。そしてHさんとS先生と3人でご飯を食べて帰りました。一応好きな人と過ごせてよかったと思いました。

次の年、Hさんはなんと留年して5回生になりました。学費のためにバイトを増やさないといけなくなり、ご飯に連れて行ってくれる回数は減りました。また今までは全額奢ってくれていたのに、割り勘が増えました。割り勘は全然良いのですが、会える回数が減ったのは寂しかったです。誘っても「バイトやから」と言われることが増えたので気を使ってあまり誘わないようにしました。毎日LINEしていたのに自然と減っていきました。

「Hが画像を送信しました。」

ある夏の日、予備校の仲良かったメンバー+HさんとかS先生が入っているLINEグループに突然Hさんが何か画像を送ってきました。このLINEグループは特に頻繁に動いていたわけではないので、何かなと思い画像を開きました。

砂浜をバックにHさんとS先生の2ショット写真でした。

何が何だか分からなかったけど、手が震えだしました。

LINEでは他の子たちが「付き合ってんの?」「そうなんや、はよ言ってやー」とかリアクションをしていましたが、あまり驚いた様子ではありませんでした、私から見ても二人は仲良かったしお似合いだと思っていました。でも私はこの1年半の間何度もHさんに彼女がいないことを確認したから、「嘘をつかれた」という現実を受け入れることができませんでした。おそるおそる個人LINEをしました。なんと私たちが高校生のときから付き合っていたらしい。もはや私があなたに恋する前からだったかもしれない。時間の無駄すぎ。社員とバイトという関係だったから予備校関係者には隠そうと思っていたけど、私の気持ちに気付いていたから早く言わないと…って思っていたらしい。「誰か言わずに彼女おるって言ってくれたら良かったじゃないですか」って送ったら「それはごめん」。1年前、Aくんが彼女できたこと半月言ってくれなかったことをHさんに愚痴っていたのです。そのHさんは私に1年半もの間、嘘をつき続けたのです。

怒りをぶつけまくりました。

「時間の無駄やった」「気持ち知ってたのに最低」「知ってたらクリスマス行かんかったし、私ただの邪魔やん(笑)」「何回も確認したのに」

私の怒りを受け止め、「そうやな」「そんなことないよ」「ごめん」等Hさんはたくさん謝りましたが、何かのきっかけで逆ギレしてきました。そんな喧嘩のようなLINEを朝まで続けましたが怖くなってやめました。

それ以来一度も連絡を取ってないし携帯を変えてLINEの履歴が消え、連絡先も消えました。この経験から嘘をつかれることが一番怖くなりました。友達でも、小さな嘘でもつかれると信用できなくなりました。

大学生の象徴のようなAくんの話

 

オレンジデイズ』みたいな大学生活に憧れますよね。あと、芸大を目指していた時期もあるので『ハチミツとクローバー』に憧れていたこともありました。皆さん見ていましたか?私は当時小学生~中学生くらいだったのですが、大学生といえばドラマみたいなキャンパスライフを送るものだと思っていました。高校生活最後に散々な失恋をしたので受験勉強を頑張って、第一志望の大学に合格しました。

「大学生になればさすがに彼氏できるやろ…。」そう思いながらずっと憧れていた大学の門をくぐる生活が始まりました。大学生活が始まってすぐに今までの人間関係の築き方と違うと感じました。男の子がすぐにメールアドレスを聞いてくる。知り合ったばかりなのに下の名前を呼び捨てにして呼んでくる。高校生の男の子と違い、コミュ力に溢れていたことに驚くばかりでした。その様子に少し圧倒されてしまい、最初はあまり大学に馴染めなくてオレンジデイズなんてほど遠い毎日でした。そんなときによく大学の愚痴や相談をしていたのは通っていた予備校のバイトのHさん。私が1回生のころ彼は4回生で、イマドキの大学生の権化のような人でした。合コン、バイト、サークルの毎日。サークルと言っても合宿と称して毎日飲み会をする旅行に行くようなタイプのテニスサークルです。Hさんの話を高校生のときによく聞いていたから、大学生活はこういうものだと思っていました。Hさんの学生生活とは全く異なる生活を送っている私はおかしいと思い、つらい日々を送ります。

しかし性懲りもない私はすぐに出会いました。5月のある日、英語のクラスで飲み会をすることになり、参加しました。飲み会というものにあまり参加したことがないのと、ウェイ系大学生が多かったので楽しみ方が分からなくて最悪な気分でした。その中で一人、少し落ち着いていてみんなに気を使っている男の子、Aくんがいました。授業のときからいい人だと思っていたので、しゃべってみたいと思いました。Aくんは浪人していて一歳上でした。やはり年上の人に惹かれることが多くなりました。飲み会では入るサークルの話をしたくらいの記憶しかありません。でもAくんともっと仲良くなりたいと強く思ったので、後日課題を確認することを口実にLINEをしました。それから少しずつ仲良くなっていきます。

ある日、AくんからLINEが来て休みの日にふつうにデートをしました。夕方から私はサークルがあったので昼間に一緒に買い物をしてマクドナルドに行っただけですが、あまりデート的なことをした経験がなかったのでドキドキしました。大学に入って早々こんなことが起きるなんてこれはもう付き合う流れとしか思えませんでした。あとは、私は履修していないけどAくんが履修している授業に忍び込んで一緒に授業を受けたりお昼ご飯を一緒に食べたりし、急激に距離が縮んでいきました。

毎週火曜の英語の授業はAくんに会えるのが楽しみだったのですが、Aくんは大学生活の自由さに負けて授業を休みがちになります。出席を取らない授業には出るのを諦めて次の授業の課題をやる時間に充てたりするようになります。ある火曜日の朝にAくんとLINEをしていて、「課題やった?」と送ると「今日休むわ!きなこに会いたかったけど、ごめん」と来ました。今日彼に会えないということは残念でしたが、『会いたかった』という一言に顔はにやけ心は高鳴りました。もう付き合えるやつやん、我ながらさすが大学生!と思いました。

7月のある日、なんとお祭りに行く約束をします。それも、日本三大祭りの一つ、祇園祭。男の子とお祭りに行ったことなんてもちろんありません。浴衣?着ていっていいの?周りからカップルと思われるけど大丈夫か?緊張しかありませんでした。

当日、パックをしてお母さんに浴衣を着せてもらい、京都に向かいました。私の浴衣姿を見た彼は照れていたのか「似合ってるやん」という感想のみでした。私は初めて祇園祭に行ったので、京都出身の彼に案内してもらいました。一つの屋台に並んだときに、私たちの前に小学生くらいの男の子5人組が並んでいました。その子たちが屋台の前でガヤガヤしているところを見た屋台のお兄さんは私たちを見て「子ども?」と冗談を言いました。するとAくんは「子作り頑張りました」と冗談で返しました。私は「ちょ、ちょっと…!そんなこと言いなや><」と言いました。きもすぎ。子作り=セックスを連想してしまった処女の私は必要以上に照れました。今も処女ですが今なら私も冗談を言えると思います。そんな会話もあり、私はすでに彼女のような気分でした。車道側を歩いてくれたり、買ったポテトを手で食べさせてくれたり、Aくんも彼氏のような振る舞いをしました。帰りの電車では過去の恋愛や高校時代のことなど、少し深い話をしました。今この瞬間に戻れたら過去の恋愛の話なんて絶対にしません。18歳とはいえ片思いしかしたことないことや、ことごとくダサい失恋をしてきたことを惜しげもなく話すなんて反応に困ることをしてしまいました。24歳の今は新たに出会った人には自分から恋バナをしないようにしています。かっこ悪いから…。でもこのときは悪影響を及ぼすほどではなく、私の乗り換えの駅まで着いてきてくれて、帰宅してからはまた遊ぼうとLINEをしてくれました。付き合うのも時間の問題だと思っていました。

毎日のように連絡を取っていましたが、祇園祭のあとすぐにテスト週間に入ったので連絡を取るのは中断しました。テストが終わっても連絡が来ることがなく、おかしいと思っていた頃、夏休みになり私はAくんに教えてもらった派遣のバイトを始めました。初出勤は淡路島の音楽フェスに泊まり込み。一人で心細いし不安でしたが、初めてのバイトだったので断ったらこれから仕事が来ないかもしれないと思って引き受けました。バイトを教えてもらったのでこれを一応AくんにLINEで報告しました。

「久しぶり!この前教えてもらったバイト今度初出勤してくる!淡路島に泊まり込み(´・ω・`)笑」

「まじか!(笑)頑張ってな!」

「ありがとう><寝るときとか寂しいし夜電話して(笑)」

「分かった!」

こんな感じで久しぶりに連絡を取りました。

初出勤の当日はほぼ始発で家を出発し、早朝6時頃に三ノ宮駅に集合しました。一日目のバイト内容は会場案内。しかし会社のトラブルで会場に到着するのが遅れたため、会場の作りを知らないまま持ち場に付きました。トイレの場所を聞かれたらお客さんも持っているものと同じ会場MAPを見ながら教え、聞かれたことが分からなかったらとりあえずインフォメーションの場所を教えるという、いてもいなくても変わらない仕事をしました。しかも真夏で汗が止まらなくて、体力がどんどん奪われていきました。なんとか夕方の涼しくなってきたころに出演しているアーティストの演奏をふつうに見ることができたので、そういうところは良いバイトかなと思いました。

一日目の仕事が終わり、帰る組と泊まり込み組がいて帰る組が優先でバスに乗って駅に帰っていきました。泊まり込み組の私たちが宿泊所に到着したのは22時頃。朝は宿泊所の前に4時集合でした。は?ブラックすぎか??宿泊所ではボイコットの作戦会議が自然と行われるほどしんどいバイトでした。とりあえず一息つき、なんとなく当時主流だったmixiを開くと、Aくんが花火大会の写真を投稿していました。ん?女か?!!?気が気じゃありません。とりあえずこちらからLINEをしました。

「バイトいま終わったー(;_;)明日3時起き…」

「お疲れさま!!え!きついなー><」

「めっちゃ疲れた…。」

「ほんまにお疲れさま!明日もファイトやー!」

「ありがとう(*^^*)mixi見たけど、花火大会行ってたん?」

「そうやねん!めっちゃきれいやった!」

「いいなー!さては女の子とやな!!」

この絶妙なタイミングで眠りました。最悪な目覚めが待っているとも知らずに。

翌朝、眠い目をこすりながら携帯を見ると、AくんからたくさんLINEが来ていました。

「せやでー!おなごや!」「きなこに言えてなかったんやけど、実は彼女できてん!」「でもきなことは友達としてずっと仲良くしたい><」

心の中で大号泣しましたが明るく冗談ぽく返信しました。

「そうなんや!おめでとう!オッケー!都合の良い女ね!」

すると早朝なのにすぐに返信がきました。

「おい!そういう意味ちゃう(;_;)」

LINEは中断し、バイトが始まりました。

二日目のバイト内容はチケットのもぎり。1DAYチケット、通し券、ファミリーチケットなど何種類かチケットの種類があり、それによってもぎるブースが違います。自分の担当じゃないチケットを持ったお客さんが来たら正しいところに誘導します。チケットの種類がややこしくて何度も間違えてチーフの人に怒られ、半分泣きながらチケットをもぎりまくりました。二日目は座って仕事できる分マシでしたが、相変わらず暑くて大変でした。バイトが辛すぎて考え込む余裕がありませんでしたが、ふとした瞬間に今朝失恋したことを思い出しました。

お客さんの入りが落ち着いてきた頃、撤収の準備をための作業が始まりました。午前中はずっと入場のゲートにいたので聞こえませんでしたが、会場の近くに移動したときにまたアーティストが演奏している音が聞こえました。そのときに聞こえたのはミスチル。「恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム」。あまり意味は分かりません。多分片思いの歌詞ではありませんがラブソングということだけで、心の中で泣きました。

 

後日、mixiや始めたてのツイッターで調べたところ、祇園祭りに行った3日後に彼女ができていたようでした。その彼女は、Aくんの大学の女友達の高校の友達でした。大学の友達はたまたま私の中学の友達だったのでその彼女のことも知っていました。好きだったということもバレてたと思うし、前のように話すことがお互いできなくてここから一年くらい絶交期間が続きました。

付き合えると思っていたTくんの話

 

ここまで一度も告白されたことはありません。この後24歳まで告白されないことをこの頃はまだ知りません。正真正銘の喪女です。だから相手の好意を少しでも感じたらすぐ好きになってしまうようになります。あと失恋するたびに「タイミングが悪い」と友達に言われることが多くなります。タイミングとか分からんがな。

大学受験に向けて高3の春休みから予備校に通うようになります。同じ高校の子が何人かいましたが男子が多く、もともと仲が良い子は少なかったです。そこでTくんと知り合います。同じ高校ですが同じクラスになったことがなかったので一度もしゃべったことはありませんでした。Tくんは部活に入っていないけど、文化祭などではクラスを盛りあげるリーダー的存在だったのでよく知っていました。あと、1年のとき私の中学からの友達Hちゃんに告白しふられ、2年のときTくんと同じクラスだったNちゃんのことが好きだったけどNちゃんに彼氏ができて失恋していたことも知っていました。ほぼ同じタイミングで予備校に入りましたが、特に会話はすることなく4月を迎えます。

4月になり、3年生になりました。3年生のクラス替えでTくんと初めて同じクラスになりました。その日予備校で会って早々、「クラス一緒やんな!よろしく!」と言われました。それからよく話しかけてくれるようになりましたが、その親しみやすさによって友達が多く、自分とは違う世界の住人だと思いました。学校では会うたびに挨拶をしてくれて、放課後わたしが部活に行く準備をしているときにはいつも「今日予備校行く?」と声をかけてくれました。予備校では若い女性の職員S先生と3人でしゃべることなども多かったです。

高3のクラスは純粋な文系のクラスだったので女子の人数がクラスの三分の二を占めていました。また、テニス部やダンス部などのかわいい女の子が多い分、気が強い女の子も多かったです。新学期のはじめに健康診断があり、クラスごとに男女に分かれて校内を周り、それぞれの診断を受けていくというものでした。その最中に、クラスで明らかに嫌われている子がいると気付きました。ややこしそうやな…と思っていると、その子はしゃべったことがないのに私のグループに入ってこようとしました。めんどくさいめんどくさいめんどくさい…。私はもともと超女子的な性格なのに、高校でラグビー部の男の世界を知ってしまい中途半端に男らしい性格になっていました。ややこしい女子が多いこのクラスにさっそく絶望し、部活のときに同じクラスのラグビー部の友達Dに愚痴りました。

「クラスおもんない」

「でも自分、男子から評判いいで」

…え?

「特にTがめっちゃ言ってる。かわいいって。」

と言ってDはケラケラ笑いました。どうやらTくんはわたしのことを気に入っているようでした。

6月の体育祭に向けての準備が始まりました。彼は体育委員としてクラスを引っ張ります。私はクラスの旗のデザイン、制作の担当になりました。すぐにデザインを考え、ほとんど一人で行いました。その日の作業が終わり、予備校に行って授業を受けていると携帯が鳴りました。見ると、なんとTくんからメールが届いていました!「旗作ってくれてありがとう!めっちゃいい感じやな(#^.^#)」短いメールでしたが、わざわざメールをくれたのがうれしくてすぐに職員のS先生に報告というか自慢しました。駅まで帰る方法が同じだったのでタイミングが合えば2人で一緒に帰るほどの仲にまでなりました。

自然とTくんが気になっていってしまいますが、友達が多い子なのでこれがふつう?私が惚れるか試されてる?思わせぶり?と不安が募っていきました。そこでDに、思わせぶりされているのかもしれないと相談をしました。するとまたケラケラと笑って、聞いとくわと言ってくれました。翌日メールをすると、「思わせぶりじゃないって!」と返信が来ました。「思わせぶりじゃないって!」…?どうやって聞いたらこのような返信が来るのでしょうか。「きなこが思わせぶりかもって言ってるねんけどどう?」的な聞き方としか思えなくて、本当にこいつは女心がわかってない…と失望し、もう相談するのは辞めました。仲は良いけど…。

確実にTくんのことが気になっているけど自信がなくてモヤモヤしていたある日、友達のNちゃんとCちゃんとしゃべっているときに、Tくんのことを二人に話しました。Nちゃんは最初の方に書いた通り、Tくんが2年のときに好きだった女の子です。良く言えば魔性の女、悪く言えばクソビッチ。(おっと!)Nちゃんはそんな女の子です。Nちゃんは自分が中学のときにいじめられていたコンプレックスをごまかすように私のようなナメれる女と仲の良いふりをします。顔は決してかわいくありませんが、いける雰囲気やか弱いオーラを醸し出して男を寄せ付けます。今は彼氏いるけど、Tくんが好きだったことも今も仲良いことも知っているので言いたくなかったのですが、「好きな人おるん?T?」となぜか雰囲気でばれてしまい、「う、うん…」と言ってしまいました。「T、2年のとき私のこと好きやったで」自分で言うんやな。知ってる。今後、Nちゃんはやたらと上から目線でアドバイスをしてきます。「最近しゃべってるん?」「もっとメールしいや!」言われた通りにしたりしなかったりして自分なりにアプローチをしていました。しかしあれだけあったTくんからの接触はほぼなくなっていきます。

体育祭でTくんは団長を務めました。生徒会のメンバーではありませんが、生徒会の人とのつながりが多いです。前回のI先輩とも知り合いです。体育祭が終わると次は文化祭です。私のクラスはTくんとDが中心となり、映画を撮ることになりました。夏休みに毎日撮影を行いました。私は行ける日はできるだけ行きましたが、ほとんどTくんとしゃべりません。撮影は大変でしたがなんとか完成し、9月の文化祭は無事終了しました。

文化祭が終わった数日後くらいの予備校終わり、一人で帰っていると同じラグビー部のKくんから電話がかかってきました。Dに失望したあとはI先輩の相談をしていたKくんに相談していたのです。

「いま電話して大丈夫?」

「うん、どうしたん?」

「あのさ、TとNさん付き合ってるって」

え…。やっぱりそうやったんや。いつの間にか彼氏と別れていて、Tくんの気持ちはNちゃんに戻っていたのです。私がTくんのことを気になっていたことは本人も気づいていたのでしょう。結果的に思わせぶりになったのでもうTくんと会話ができなくなります。あまり視界に入れたくないし声も聴きたくありません。向こうも察して話しかけてこなくなりました。予備校に行く途中見かけたらいつも声をかけてくれて一緒に行ってたのに私を素通りしていったり、予備校の受付のところでS先生としゃべっててTくんが来たら3人でしゃべったりしていたのにTくんが来た瞬間自分の席に戻ったりしました。←陰湿。

問題はNちゃん。Kくんが教えてくれた日から5日後にメールがありました。

「話したいことあるねんけど」

「なに?」←知ってる

「Tと付き合うことになった」

「おめでとう(^O^)/」←嫌味

直接話したいと言われ話すことになりましたがNちゃんは一週間くらい学校に来ませんでした。体調不良とのことでしたが自殺願望を公にしたりするメンヘラだったのでただ厄介でした。ようやく会えたのは一週間ほど後。5・6時間目、体育館を自由にクラスごとに使って良い時期があり、体育館に向かったところ私のクラスと入れ違いでNちゃんのクラスが出てきて入り口のところで鉢合わせしました。今話すことになり、体育館の2階のギャラリーに2人で向かいました。

「何か質問ある?」

言い訳を聞かされると思ったら質問を求められたので拍子抜けしました。

「特にないけど…」

「そっか。まだ好きなら告白すればいいだけやと思う。」

Nちゃんと付き合ってること知ってるのに何で告白しないとあかんの?自分に恋愛経験がなさすぎてこういうときどうすれば良いのか全く分かりませんでした。罪悪感を抱いている様子は全くなく、それしか言われなかったのでとても悲しい気持ちになり、ギャラリーから走って抜け出しました。好きな人はやっぱり私のものにならない。友達には裏切られた。むなしくて悲しくてどうすれば良いのか分からなくて涙が止まりませんでした。

卒業式まで2人とは一言も話しませんでした。私はまだ部活があったのでグラウンドに向かっているとき、下校しようとしている2人に鉢合わせたことがあります。その瞬間とてもむなしくて、あの光景は今でもはっきりと覚えています。

Nちゃんが彼氏と別れる前にもっと私がアピールしていたら、告白していたら、付き合えたのかもしれません。確かにタイミングが悪かったけど、まさかこんな結末になると思いませんでした。

想いを伝えたくて仕方なくなったI先輩の話

ワインや日本酒に詳しい、肉より魚派、タクシーに慣れている、そんな男性を見ると「大人!」と感じ、ついついうっとりしてしまいます。24歳になった今でもそんな程度でうっとりしてしまうあたりがへぼくてしょうもないのですが、高校生の頃から年上の人を好きになることが多いです。「年上フィルター」って本当に男性を輝かせますよね。ずるい。

イケてない中学時代の原因が部活だと思っていたので、高校では部活選びに失敗しないように気を付けました。高校ではもっと自由に遊びたいとも思っていたので、平日に最低1日と土日は完全に休みだけどやりがいはある部活に入りたいと思っていました。いくつか見学に行きましたが大変わがままな条件で探していたので見つかるわけはなく、家でゴロゴロしながら携帯をいじっていたら当時流行していた携帯HPの学校ごとのランキングサイトを見つけました。そのランキングサイトからたまたま見つけたラグビー部のHPを何気なく見ていたら、マネージャー希望が来なくて困っているという2年生のマネージャーの人のつぶやきを目にしました。昔から自分で音楽や絵画で何かを表現する方が好きだったので他人のお世話をするマネージャーという選択肢は全くありませんでした。でもこの書き込みを見たときになんとなく考えが揺らぎました。入りたい部活がないならいっそのことマネージャーもありかなあと思い、同じクラスの友達Sちゃんを説得して2人でラグビー部にマネージャーとして入部しました。

ラグビー部に入ると言ったとき、いつもは何でも私の好きなようにやらせてくれる両親が反対しました。「自分で何かをする方が向いている」と散々言われました。両親に言われたことは本当に正しいけど、3年後この選択が間違いじゃなかったと思えるように「男性嫌いを克服する、社会的に成長する」という目標を掲げました。

ラグビー部での生活が始まると、自分はライオンの群れの中にいるシマウマだと思いました。本当に男性が苦手だったので、部員がたくさんいるところにいると緊張して少し動悸が激しくなりました。しかもイマドキっぽい男の子という感じの部員が多く、地味めな私はラグビーのルールを覚えるとともに馴染むのに必死の日々でした。

ラグビー部は3年生2人、2年生8人、1年生7人、合計17人。マネージャーは2年生と私たち1年生でそれぞれ2人ずつの合計4人いました。毎日一緒の時間を過ごすことで同期の部員とは少しずつ仲良くなっていきました。ラグビー部に入り、人生で初めて「男の先輩」と関わる機会ができました。先輩は皆さん面白く、マネージャーの私たちにも気遣ってくれて優しいです。その中で一人、憧れの先輩ができました。2年生のI先輩はとにかく毒舌。ぶっきらぼうで冷たい印象。練習はできるだけ楽したいし遅刻も多いしサボりたい。でもラグビーのスキルの高さはピカイチでした。音楽やお笑いの趣味が似ていたので一番話しかけてくれて、とても憧れるようになりました。でも先輩には彼女がいたので、恋愛感情を抱くことはありませんでした。

I先輩の彼女は元気で明るくてかわいいテニス部の2年生。彼女はI先輩のことが大好きで仲良しカップルだったので2人とも憧れでした。私が1年生の秋ごろ、突然2人は別れました。彼女と別れたので私のものになる可能性が1%でもあると思った瞬間、憧れはすぐに恋心に変わってしまいました。先輩にとって私はただの後輩マネージャー。好きになってもらえる自信なんて全くなかったので、すぐ好きになってしまう自分に嫌気がさしました。自信がないので好きな人ができるたびに毎回嫌気がさします。

9月、高校生になって初めての文化祭の季節になりました。自分のクラスの出し物は1年生らしくあまりうまくいきませんでした。一緒にラグビー部に入ったSちゃんと、先輩のクラスを回りました。2年生や3年生は劇やダンスをするクラスが多いです。部活のときに見る先輩方の姿とは少し違う姿を見ることができて、とても楽しめました。I先輩のクラスは自分たちで映像を作って映画を上映していました。夏休みから文化祭の準備期間、文化祭当日にかけて気付いたことがあります。I先輩は部活ではめんどくさがりで強く当たったりするので、協調性がありません。信頼しているというのもあると思いますが、ワガママなときもあります。ですが、文化祭や体育祭などの行事はクラスの先頭に立って仕切っていました。文化祭委員などの役職に就いているわけではないのにクラスではリーダー的ポジションのようでした。生徒会に入っているわけでもないのに生徒会の方と仲が良く学校全体で有名な人になっていました。生徒会関係でラグビー部以外の後輩とも知り合いが増えていて、女子の後輩の中では一番仲が良いと思っていたので勝手に嫉妬してしまうことが増えました。

12月、一緒に入ったSちゃんが辞めました。無理やり誘ったしバイトをしたいと思っていた子なので仕方なかったですが、これから同期のマネージャーが自分だけになるということが心細くなりました。仕事量的には何の問題もありませんでした。20人弱の部員に対し、マネージャーが4人もいたのでむしろ毎日暇でやることがあまりありませんでした。というのも、先輩のマネージャーが仕事に対してやる気がなく、言われたことしかやらないタイプでした。Sちゃんもそういうタイプだったので、私がもっと部員が求めていることを考えて仕事をしないといけないと思うようになりました。

部員の中で一番仲良かった男の子、KくんにはI先輩のことをすべて相談していました。I先輩とKくんは同じ予備校に通っていたので情報通でした。「甘いものが苦手らしいよ」と教えてもらっていたので、チョコと甘さ控えめのクッキーと作ってあげることにしました。

バレンタインは日曜日の練習の日。練習開始時間の数分前に学校に来て準備を始めます。部室にいる部員にチョコを渡すと、みんな素直に喜んでくれました。けどI先輩の姿がありません。こんな日に限って遅刻です。渡すタイミングがない、どうしよう…。グラウンドに道具も持って行き、準備をしているときにI先輩が遅れてくるところを見かけました。これはチャンス!忘れ物を取りに行くふりをして部室に戻りました。部室には二人きり。たいした会話はしなかったと思いますがわざわざ戻ってきてチョコとクッキーを渡したので気持ちが少しでも伝わればいいなと思いました。ホワイトデーは3月の終業式。部員の先輩2人が私の教室に来て、手作りのお返しをくれました!マメすぎるでしょ!嬉しすぎる…先輩好き…と思っていたら、I先輩も教室に来てくれました。手作りではありませんが、ラッピング袋に自分でお菓子を詰めたものをくれました。このラッピング袋はしばらく大切に保管していました。大好きな先輩から初めてもらった物。宝物でした…。

3月くらいから私が部費を管理するようになりました。2年生は受験モードになっていき、先輩マネージャーは練習が終わるとすぐに予備校に行くようになった分、私は部員とより長く過ごすようにしました。ほかの部活のマネージャーに相談をし、試合のあとに手作りの差し入れを始めました。先輩マネージャーはやる気も時間もなさそうだったので相談せずに一人で行いました。今までそんなことをしてこなかったので、部員はとても喜んでくれました。先輩マネージャーは私のゼリーを取り上げ、自分の手柄のように部員に配ったりしていましたが、そんなことは部員にお見通しでした。

4月になり、1年生の部員が5人、マネージャーが2人入部しました。今まで以上に部員に寄り添って仕事をするようにしました。後輩と3人で考えていろいろな差し入れをしたり暑くなってきたらアクエリアスを水に混ぜたりしました。部員たちは先輩マネージャーの悪口を私に言い、一番私を頼ってくれるようになりました。キャプテンのT先輩やI先輩は私をとても頼りにしてくれました。マネージャーが準備をしていてグラウンドに入るのが遅くなってしまい、T先輩に「マネージャー早く!」と怒鳴られたことがあったのですが、その後「あいつらに言ったからな。きなこには言ってないから。」と言ってくれました。ある試合の帰り、I先輩と2人で自転車で帰ることがありました。入部したばかりの頃は、練習中に少し話すだけでも緊張してその帰りに友達に「I先輩としゃべった!」とメールしてしまうほどだったのに、2人で帰れるくらいの中になったことがすごくうれしかったです。

7月の私の誕生日、ラグビー部全員にサプライズで祝ってもらいました。そんなこと一度もなかったのでとてもうれしかったけど、先輩マネージャーにはものすごく嫌われました。明らかに私の方が部員に好かれていたので僻まれてしまいました。最後の公式戦の直前の8月ごろから先輩マネージャーは予備校に行くために練習を休みがちになりました。部活に来るのは試合の日だけ。たまにグラウンドに現れると部員の雰囲気が悪くなっていきました。たまたまI先輩と電車で帰っていたとき、「きなこは悪くない。俺らが言ったるからな。」と言ってくれました。

「マネージャーがいると雰囲気が悪くなるからラグビー部を辞めてくれ。嫌ならちゃんと練習に来い。」異例の話し合いが3年生で行われました。先輩マネージャーは辞めずに、真面目に練習に来るようになりました。

I先輩は3年生の体育祭では団長を務め、学校中の有名人となりました。後輩やクラスの友達がたくさんいます。廊下で会ったときにI先輩が友達数人といたので挨拶をしそびれたことがあったのですが、向こうから「きなこ!おはよう」と声をかけてくれたのは飛び上がるくらいうれしかったです。体育祭や文化祭での活躍、先輩マネージャーから私を助けてくれたこと、ラグビーのプレー中の姿。いろんな先輩の姿を知っていくたびに想いを伝えたくなりました。先輩たちは9月の公式戦で敗退し、引退。すっかり会う機会が少なくなった12月。想いを伝えようと決めました。自信は1ミリもありませんでした。とにかく早く言いたかったのです。

Kくんに相談し、地元の駅に呼び出してもらいました。先輩は予備校帰りだったので指定された時間は22時。それまで地元の友達にマクドで励ましてもらっていました…。頭の中でイメトレを重ねます。何度も何度もイメトレ。伝えてフラれて先に帰ってもらおうと計画しました。時間になり駅前に向かい、先輩を待ちました。先輩は手にミルクティーとココアを持って現れ、「どっちがいい?」と言いました。ああ、計画が崩れた…。頭が真っ白になりました。ミルクティーをもらい、ベンチに座りました。思いのたけを伝え、しっかりと「付き合ってください」と言いました。告白しているときはなんだかもう、ドラマやん。付き合ってくださいとかドラマやん。と思って笑いそうになりました。結果はまあフラれました。「好きな人がいる」「東京の大学を受ける」という理由でした。まあ優しさですね。そのまま帰ってもらおうと思っていたけど、1時間くらいたわいもない話をしました。一緒に帰り、次の日学校ですれ違ったときもふつうに挨拶をしてくれました。せめてもの救いが「直接告白されたの初めてやったからうれしい」と言ってくれたことです。

「きなこ!合格したで」。3か月後、廊下ですれ違ったときに先輩は私にそう言いました。先輩はちゃんと東京の大学に合格しました。自分のことのように喜びました。とことん尊敬できる。ずっと憧れの先輩だと思いました。

 

 

 

半年後、Kくんから教えてもらったのですが、I先輩は私から告白されたことを生徒会の友達や後輩に言いふらしていました。こういうのはあまり言わないのが暗黙のルールというか気を使ってくれる人だと思っていたので大ショック!GWに部活に遊びに来たときはしゃべりませんでした。水は後輩に持っていかせました。

趣味が合うだけだったUくんの話

 

小高い丘の上の校舎、清楚な印象のセーラー服、真面目な校風。こんな素敵なところで高校生活を送るのかとワクワクして門をくぐりました。大正ロマンな雰囲気の校舎に満開の桜がとても似合います。イケてない中学生活を過ごした私はそれなりに勉強ができたのでそれなりに良い高校に入学することができました。この高校には中学時代のように明らかなスクールカーストはなく、平穏な日々を送れそうな気がしていました。

高校生になった私はお笑いライブを見に行くことが趣味になります。5月ごろのある休日、中学の友達といつも行くお笑いの劇場に行くと、同じクラスのUくんを見かけました。若手の芸人さんのライブのお客さんは大体若い女性なので、男子高校生数人で来ていたUくんはとても目立っていました。Uくんとは話したことがなく、お笑いが好きということも知らなかったので学校で会ったときに聞いてみることにしました。

「Uくん、この前劇場いたよな…?」

「やっぱりきなこさんやんな」

Uくんはとても大人しいけど、仲良くなればムードメーカーになるタイプなのだと感じました。話してみると、好きな芸人さんや笑いのツボが結構同じで驚きました。また、席替えをするたびに前後や隣になり、私はどんどん彼のことが気になってしまいます。しかし高校生になってもまだまだ男の人が苦手な私はアプローチなんてできません。頑張って話しかけますが、緊張してしまいたどたどしさが拭えません。そして彼も人見知りのため、思うように仲良くなれませんでした。

夏休みになり、学生の漫才の大会、「M-1甲子園」に彼が出場するということを教えてくれたので友達と見に行きました。Uくんの漫才のテーマは野球。野球が全く分からない私は困惑…!しかも会場の音響が悪く、音がよく聞こえない。初心者ゆえにあまり何を言っているかわからない…。Uくんたちの出番が終わり、正直に「野球分からんからよく分からんかった」と言ってしまいました。仕方ない、今思い返してもそれしか感想が出ません。それからUくんは文化祭などでたびたび漫才を披露していて、私は何年も見ていますが、とても上達しています。プロになっていないのがもったいないと思うほどです。

2学期が始まり、特に関係性が変わることなく高1の一年間は終わりました。クラスの打ち上げを行うことになり、15人ほどが集まりました。ファミレスで食事を済ませ、高校の近くの公園で遊ぶことになりました(高校生?)。鬼ごっこなどで散々暴れたあと、クラスの中心的女子が「暴露大会しよ!」と言いました。

このような話題が今はとても苦手です。自分の暴露話は付き合ったことがないこと、処女であることぐらいしかありません。しかもそんな暴露話を誰も求めていないことはわかっています。言ったあとにとんでもない空気になることは何度も経験しています。でもみんなが言ったら自分も何か言わないといけないのがこの話題のルールです。だから最近は友達と飲むときなど、このような話題にならないように気を付けます。自分から相手の恋愛事情などは聞かないようにしています。

しかし高校生の当時は付き合ったことない子がクラスの大半だったので、今ほどコンプレックスに感じることはありませんでした。なので、中心的女子が暴露大会を開こうとしたときも呑気に聞いていました。彼女はさっそく、「Uって好きな人おるん?」と言い、Uくんは黙り込むのとはぐらかすのを繰り返しました。必死にごまかしているなあと思いました。私は必死に平然を装いました。Uくんは隣のクラスの子とだけ言いました。Uくんはほかのクラスに女の子の知り合いがいるイメージがなく、全く誰かわかりませんでした。

「でも人見知りやし告白とかできるタイプじゃないやろ。」そう思い込み、勝手に安心していました。自分がUくんに告白するということなどはあまり考えていませんでしたが、誰かのものになるのは嫌でした。誰かに片思いするUくんにずっと片思いできればいいと思っていました。

高2になりクラス替えが行われ、1年のときに同じクラスで仲が良かったCちゃんとRちゃんと同じ部活のNちゃんと同じクラスになり友達になりました。出会って間もないNちゃんから衝撃の言葉、「Uくんと付き合ってるねん」と言われます。確かに隣のクラスですが接点があることを知らなかったので驚きました。CちゃんとRちゃんが紹介して、お互い気になっていたようでした。しかもなんとUくんも同じクラス!なんという苦行でしょう。まあいいけど。好きじゃなかったし、気になってただけやし。でも、「私の方が趣味は合うよね?」と思いました。まあNちゃんとも結構仲良くなったし別にいっか。

Uくんに対しての気持ちはその日から一切ありませんが、深い縁はあるのかなあと感じます。同じ大学に進学、お笑い以外の趣味も同じ、趣味が高じて希望の就職先も同じで就職説明会でよく会いました。(私はその職に就かなかったけど。)また、お互い好きな芸人さんは高校生のときと変わっているけど今も結構同じで会場で会うことがたまにあります。こんなに共通点があるのにそこまで仲良くなれていないから、それまでの相性なんだろうな。もったいない!まあいいけど!

ライバルが出現したFくんの話

 

小6から中3までの片思いが突然終わった中3の中頃、同じクラスのFくんが急に気になります。Fくんはクラスのムードメーカー!彼がいると場が盛り上がります。少人数教室や選択授業が一緒になることが多く、彼に惹かれるようになります。でもこの頃は全く自信がなく自分の恋心が実るものではないと思っていたので、また自分の中にとどめておこうと思いました。

 

「きなこ、Fのこと好きやろ?」

ある日、同じクラスの女の子が私に言いました。「私が狙ってるから近づくなよ」という警告に感じました。私がFくんを好きということは仲の良い友達数人には言っていましたが、彼女にばれるのは都合が悪いと反射的に感じたので「好きじゃない」とウソをつきました。

 

数日後、2人は付き合いました。その女の子は私がFくんとしゃべっているとき、あまりにも楽しそうだから私の気持ちに気付いたようです。中学生にして女の勘が働いていてすごいですね。まあ私が分かりやすいのかもしれませんが。。

 

たった半年ほどの話です。

中学編終わりですー。

 

 

「自分は恋愛をする資格がない」と中学生の頃は思っていました。卑屈なのかもしれませんが、当時自分は付き合うとかまだ早いと思っていました。部活や勉強が何より大事で、ちょっと太っていて可愛くない私に恋愛はまだ早い。そういう考えでした。大人になれば垢抜けて自然と恋愛できるはず!そう信じて疑いませんでした。

中学生の自分に世の中は甘くないということを伝えたいですね。

どれだけダイエットしても誰も見てないよ!(#^.^#)

初恋、そして初めての失恋を経験したNくんの話

「あ、これが失恋か。」初めてそう感じたのは中1の頃だったと思います。

 

初恋は保育園くらいだったと思います。そのころから大変惚れやすく、クラス替えのたびにクラスで一番のモテ男に恋していました。当時は大人しい性格のため、男子が苦手であまり話しかけることはできませんでした。

 

初めてちゃんと好きな人ができたのは小6のときです。Nくんは人気者グループに所属しておりましたが、彼自身は女子にかまってほしくて嫌がることをしてしまうタイプで人気者ではありませんでした。さらに勉強もスポーツも不得意で何の取柄もない彼ですが、私は小学生とは思えない彼の音楽の趣味に魅力を感じて好きになりました。私は趣味趣向にこだわりが強い人にとても魅力を感じる傾向があります。自分が知らないことについて熱心に語る人の姿を見るのが大好きです。男女ともに何か自分の中にアツいものがある人は素敵だと思います。だからNくんの音楽に対しアツい思いを持っているところを好きになりました。

 

小学生ながらにロックバンドをたくさん知っていた彼をかっこいいと思っていました。そこまでの知識はありませんが私も音楽が好きだったので、その共通点で私とNくんは少しだけ繋がっていました。教えてもらったバンドを聴いてみても私には良さがなんだかよく分かりませんでしたが…。彼が音楽好きというところを評価しているのは自分だけだろうと思いこっそり優越感に浸る毎日を過ごしていました。

 

同じ中学校へ入学し、同じクラスになることができました。彼はスクールカースト一軍のグループに入りました。私は下から2番目くらいのインキャラグループです。例外がいることも承知の上言いますが文化部に入部した時点で喪女人生が始まったと言っても過言ではないと思っています。(来世はダンス部に入りたい)

 

私はまじめに部活に励む一方、彼は部活をすぐに辞め、一軍グループの女子とも良い感じに仲良くし、楽しそうな日々を送っています。たまに音楽のことで話しかけてくれますが、あまり関わることはありませんでした。

 

そんなある日、怪しい現場を目撃します。

一軍グループの女子2人とNくんが廊下の端で話している。

私は何も思いませんでしたが、友達が「告ってるんちゃう」と言いました。

あんな人目に触れるとこで告白する?女子2人おるんおかしいやろ!友達、私が片思いしてること知ってるやろ!なんで冷静でいられるねん!

と思いましたが次の日には女子の1人とNくんが付き合ったという噂が流れました。

このときに私は「自分は恋愛できる身分じゃない」と思いました。明るくてかわいいギャルのみが恋愛する権利を保持していると思いました。自分から告白なんて絶対できないし、私なんかの恋心は実るものではないと思いました。

 

Nくんとその女の子は1年以内に別れ、中2になり新しい彼女ができました。私がただ自分の中にNくんへの想いをとどめている間に2人目の彼女ができました。自分の恋愛に何の希望も抱いていなかったので、ショックだったとは思いますが特に後悔も何もありませんでした。

 

彼に彼女ができても全く変わらない小学生の頃から続く私の片思いが終わる瞬間は一瞬でした。彼は一軍のグループに所属していましたが、その中で一番のいじられキャラになっていました。グループの中では一番イケてないポジションのようでした。中3の頃にはいじられが度を越して暴力が加わり、それによってNくんは泣いてしまったようです。一軍といってもほとんどの男の子は部活を頑張っていたので、問題になるほどの暴力事件は起こらない学校でした。そういうこともあり、泣いたという噂を聞いてなんだか気持ちが完全に冷めました。

子どもの恋心はその程度なのだと思います。しかしいま思えば私ひどいですね…(^▽^;)

 

こうして中3の中頃、気持ちが冷めて片思いが突然終わりました。

これはまだまだ序章に過ぎません。早く高校以降のことを書きたい(+_+)